野球部OB会 役員の皆さん
左側より、 中西会計長(34期)、吉田OB事務局長(40期)、市井OB副会長(27期)、木村OB会長(27期)、津田副会長(27期)、橋口副事務局長(34期)
野球部のOB総会がおこなわれた11月15日(「マスターズ甲子園」翌週の日曜日)にお邪魔して話をきかせていただきました。「マスターズ甲子園」本戦での野球部の活躍については、紹介記事をご覧ください。
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かつての高校球児たちがOBチームを結成してふたたび戦う「マスターズ甲子園」。2015年度の今年、東淀川高校野球部OBチームが大阪予選を勝ち抜き、みごと阪神甲子園球場で開催される本戦に出場されました。快挙にいたるまでの道のりや、組織としての強み、そして普段からのOB会の活動についてもお話をうかがいました。
左側より、 中西会計長(34期)、吉田OB事務局長(40期)、市井OB副会長(27期)、木村OB会長(27期)、津田副会長(27期)、橋口副事務局長(34期)
野球部のOB総会がおこなわれた11月15日(「マスターズ甲子園」翌週の日曜日)にお邪魔して話をきかせていただきました。「マスターズ甲子園」本戦での野球部の活躍については、紹介記事をご覧ください。
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江風会:まずは「マスターズ甲子園」での熱闘、大変お疲れさまでした。応援に駆けつけた人達の間で新たな交流が生まれる、ずっと会っていなかった卒業生同士が甲子園で再会を果たすなど、江風会としても貴重な体験でした。実際に出場された選手として、どのような感想をお持ちでしょうか。
津田さん:やっぱり甲子園というのは高校球児にとっては夢の舞台。まさに夢の時間でした。ただ、ひとりひとりの出られる時間は限られていますし、本当にあっという間に終わってしまったなというのが正直な感想かもしれない。
各メンバーについても個々で色々思いはあると思います。課題というのもあの試合で見えただろうし、チーム内での競争も活発になっていくでしょう。そういったところで詰めて計画的に練習ができたという選手がたくさん出れば、また来年の出場も見えてくるんじゃないかと思います。
江風会:ゲームとしては敗れてしまいましたが、試合後の皆さんからは満足された様子が見受けられたように思います。競技を楽しむことと勝ちを目指すというところでのせめぎあいは、どんなスポーツにもあると思うんですが、そのあたりの意識は皆さんの場合どうだったでしょうか?
津田さん:もちろん予選は勝たないと次がないから、動ける選手をベースに組み立てていくことになります。人によっては試合には来ていても出番がないということもありました。それに対して甲子園の本戦は一戦だけなのでね。勝ち負けは別にして全員を出そうという最初からの方針で、登録メンバー全員が出場しました。
これが来年も、その次もと、何回も出られるようになってきたらもしかすると「今年は勝ちにいこうか」という話が出るかもしれない。それはまあ、今後そうなってからの話ですね。
江風会:マスターズ甲子園に参加されたのはどのような経緯でしょうか?
吉田さん:「マスターズ甲子園」には本戦のほかにキャッチボールプログラムというのがあって、それに参加したのが2008年のことです。参加費を払って、母校のユニフォームを着て甲子園でキャッチボールをしてきました。5分ぐらいキャッチボールをして、記念写真も撮ってもらって、終わってみるとやっぱり物足りなくてね。ちょうどその年のOB会でマスターズ甲子園の話が出て、その場で「うちの高校もチームを作ろうや!」となりました。
それから2年半かけてメンバーを集めて、ようやく大阪の予選に出場。最初はやっぱり体が動かなくてボロ負けしたんですが、だんだんチームとして機能するようになってきて、5回目の今回ではじめて優勝することができました。
江風会:メンバー集めでご苦労はありませんでしたか?
吉田さん:母体であるOB会がしっかりしているからこそメンバー集めができたと思っています。マスターズは年代別でそれぞれ人数を揃えないといけないので、どこかで交流が切れているとチームを作ることもできないんです。
東淀川高校は昨年が創立60年で、野球部の歴史も60年。連絡網も生きていますし、監督が選手のことを全員知ってるし覚えているのも大きい。よその野球部の卒業生からも時々話をきくんですが、連絡網がなくて昔のメンバーとも連絡が取れない学校もたくさんあるようです。
江風会:組織として確かな土台があるからこその快挙というわけですね。では続いて、OB会としての普段の活動や取り組みについて教えていただけますでしょうか。
中西さん:年に1度の総会とOB戦が大きなイベントです。通常であれば総会のあとグラウンドでOB戦(この日はあいにくグラウンドの状態が悪いため中止)、ゲーム終了後に場所を移して17時から懇親のための食事会、それぞれ時間制になっているのでどこからでも自由に参加してくださいということで、野球部の卒業生全員に封書で案内を出しています。年間の活動報告や会費納入のお願いもそこで一緒に。
吉田さん:現役にとっては、毎年のOB会の日がOBと顔をあわせる機会でもあります。自分が現役だった時の津田さんなんかそうでしたけど、いざ一緒にやったら「現役より上手い!」とかね(笑)そういうのを見せられるとやっぱり「俺達も頑張らなあかんな」と思いますよ。
最後に恒例のセレモニーがあって、今日もそれをやってきました。OB会長から現役のキャプテンに「甲子園を目指して頑張ってくれ」みたいな感じで、それこそ本当にお金の入った封筒を受け渡しするんです。知らない間に振り込まれてるとかじゃなしに、OBからのサポートをより強く意識できるように直接手渡しする形をとっています。
ボールの一球、バットの一本。自分たちが今使っている道具はOBからの寄付があるから購入できる。監督からもずっと言われてきたことです。3年間誰かの寄付のおかげで野球ができたんだから、卒業生も最低3年ぐらいは寄付ができるように頑張る。なんやかんやで、うちの部に寄付が集まるのはそういう伝統があるからじゃないでしょうか。
江風会:なるほど、クラブと卒業生との間で良い関係ができていますね。年配の方から若い方まで、OB会が途切れずに続いているのはそういった工夫があるからなんですね。昨年は58期生が卒業しましたが、最近の卒業生の参加状況はどんな感じでしょうか?
市井さん:そこはちょっと心配しているところですね。以前はずっと卒業生が野球部の監督をしていたので、そこで自然につながりができていたんです。今は学校の先生が監督をするようになって、卒業生同士のつながりということでは希薄になってきている面はある。
そのことが今日の総会の議題にも挙がったんですが、OB会の存在を認知してもらうために若い子たちに積極的に声をかけていこうという話をしています。たとえば卒業した段階でみんなが参加できる野球大会をやってみようとか。
津田さん:今後もっと若い子が来やすい環境を作るようにしないと、OB会そのものも広がっていかないだろうという思いはあります。先輩後輩ではあっても学生の頃みたいにキツイ上下関係じゃないよ、みんなで楽しいことができるよ、という雰囲気を作っていこうと。
元々、こういう場に若い卒業生が積極的に顔を出そうということにはなりにくいでしょう?これまで同期どうしの横のつながりでやってきた人達が、いきなり縦のつながりの中に入っていけるかというと、やっぱり何かと気を遣うし難しい。もっとこちらから働きかけてきっかけを作ってあげないとね。
吉田さん:そこでマスターズがきっかけになってくれればいいな、と。元々ひとつにはOB会の活性化の目的がありましたので。「現役より先に甲子園」というのは僕が勝手に言い出したんですけど、本当は現役に行ってもらうのがいちばんの願いです。今回のことで「おっさんでも出来るんや!」っていうことを示せたと思うので、現役の励みになってくれるといいですね。
江風会:来年の野球部OBチーム、また現役野球部の活躍に期待しましょう!
「ザ・淀川」は、毎月25日に90,000部を発行。淀川区のさまざまな魅力を発信するフリーの地域コミュニティ誌です。東淀川高校野球部OBチームの記事が掲載されたのは2015年8月号。ザ・淀川の公式ホームページでバックナンバーを読むことができます。
写真は取材を受ける野球部OBの、左より吉田さん(40期)、岡村さん(3期)、香川監督(17期)