パートさんは畑の土です


水上さんの狙いは当たり、太鼓亭は大きく成長していきます。
5年後には加工場を新築、20年後には研修センターを、
25年後の2001年には太鼓亭26号店が開店されました。

そんな太鼓亭は創業以来変わらないビジョンを持っています。
お店のシンボルマークに書かれた3つの言葉

@ お客様の満足感を創造するコンセプトは「健康・美味・安心(安全)」   
A
全ての従業員の幸せを「物」と「心」の両面から実践    
B 会社の繁栄
を目指し続ける  

それを実現するための経営理念を、お聴きすることができました。

「経営には、戦略、経営戦略、戦術、戦闘が必要です。

戦略とは、その企業のビジョンを明確にすること。
担うのは社長です。

経営戦略とは、(企業成長するのに必要な)目標を達成する為の”業態”を創造すること。
担うのは財務・商品・人事担当のトップマネージャです。

戦術とは、その目標達成のための具体的な方法を考え、実践させること。
担うのは部課長です。

そして、戦闘とは、現場で実践する事です。
担うのは各店舗の店長以下パートさんも含めた従業員全員です。

それぞれの役割を明確にし、それぞれが自分の役目をきっちり担う、
そんな企業は成長します」

お話を聴いていて、水上さんの明晰さが、会社を大きくしたのだと確信しました。
ビジネス書の知識ではなく、40年厳しい現実の中でビジネスを大きくされてきたのです。
その体験に裏打ちされた言葉が、こんなに整理されて語れるというのは、すごい事だと思いました。

そして、私はお話から、「社長が脳で、トップマネージャが心臓、部課長が動脈で、
パートさんが毛細血管」、そんなイメージを思い浮べました。

実際にお客さまと接するのはパートさんです。
末端の毛細血管まで生き生きとした血液を循環させていないと、お客様にはすぐ見抜かれてしまいます。

実際、金比羅製麺と極上だいこんやで食事をして感じたのは、パートさんたちの活気でした。
水上さんの思いは、末端まで届いてるんだと思いました。

それを可能にしているのは、リーダーである水上さんが、パートさんたち現場の意見をちゃんと受け止めているから、ということをお話の中で知りました。

水上さんは
パート懇談会に出席されています。
現場の事が一番分かるからだそうです。。
若いパートさんはもちろんですが、70歳以上の創業以来のパートさんや、30数年働き続けておられるパートさんもいて、みなさん遠慮なく発言されるそうです。

「節電15%をどうしょう?」と相談したら、
「空調の掃除を毎週することでも、かなり節電になるのでは?」
という現場ならではの意見も出たそうです。

「パートさんは畑の土(土壌)、幹部は種。
種は育つと植え替えるのですが、土壌が種を育てます。」

水上さんの持つパートさんのイメージだそうです。

会社に大切にされている従業員だから、お客さまも大切にするのだ、
これが私の感想でした。

やはりリーダーに必要なのは、人間力なのでしょうね。
そしてその人間力を育てる力と。

太鼓亭の特長ある各店舗

 めん処 太鼓亭
  
  
  大阪うどんと家族向けの食事を提供する
  フルサービスの店。
  バラエティに富んだうどんを手ごろな価格で
  楽しめる。
  定番の人気メニューは、創業時から変わらぬ
  スタイルの「カレーうどん」と「ちゃんぽん」、
  そして「味噌うどん」。

  (12店舗)

 讃岐うどん 金比羅製麺



    多くのうどんファンに愛される讃岐うどんを、
    リーズナブルに提供。
    うどんはもちろん、だし、天ぷらも
    各店で丁寧につくっている。

   (23店舗)
ごはん処 だいこんや 
   お昼のご飯、夜ご飯、あったかい家庭料理を
   コンセプトとして提供している

  (2店舗)
 天ぷら食堂 おた福
   オープンキッチンで目の前で揚げる天ぷらは、
   熱々で衣サクサクの絶品

  (1店舗)
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