園邊 滋二さん(15期生)
「子どもから『これからの時代、我々若い世代はどう生きて行くべきか教えてください』という質問があり、これを今日の問題にしました。
まず河野進さんの『ぞうきん』という詩を紹介しました。
『困ったときに思い出され
用がすめば
すぐ忘れられる
ぞうきんになりたい・・・』
最初の子ども達の感想は『(そんな報いのないのは)いやや』という素直なものでした。
伝えたいこととして最後に『志』という言葉について話しました。
生徒の皆さんの感想に「僕は前半と後半で『ぞうきん』の感想が変わりました」「『ぞうきん』は最初に読んだ時には明るくなくマイナスのイメージがありました。
ですが話を聞いてイメージが変わりました」と書かれていました。私の授業が生き方を見つけるヒントになれば幸いです。」
 

上田 達さん(16期生)
「高校時代の質問が多かったです。僕らの在学中に土足から上履きになったこと、教室の冷暖房は卒業した年に入り、当時関空はまだなく、飛行機の便数が多くて授業が口パクになったり、グランドではホイッスルが聞こえないので延々プレーが続いたこと、また、学生紛争の時代で、学校封鎖を経験した最後の学年だったことなどをお話ししました。そして獣医学科に行ったきっかけを話すと、結構たくさんの方が獣医の仕事に興味を持たれていたようなので、その話をメインにしました。何をするにしても、石の上にも3年、1年目は無我夢中で、2年目は面白くなかったり、逆に何でもできるように思うけど、3年やって初めて自分にできること自分の知らないことがが分かるよ、また幾つになっても好奇心を持って目をキラキラ輝かせて勤めてくださいと話しました。最後に自己紹介カードは話し言葉を字にしただけだったので、話し言葉と書き言葉は違うという話をしました。漫画以外で新聞でも雑誌でも良いから文章を読んでください、また勉強とは物を覚える事ではなく、自分が自分に強くなるという事なのですと話してきました。」

 
馬場 英明さん(24期生)
 「今回で3回目になるのですが、昨年、一昨年に比べて今年の学生さんは明るいというのが第一印象でした。
私は三菱製紙という会社で25年間サラリーマン生活を送って、海外にも駐在していました。研究職から営業、海外での流れの中で多くのことを経験し、その後独立した一人の東淀川の生徒がこういう人生を歩みましたという一例を述べさせていただきました。
その中で、私は高校の時にこういうことをもう少し考えておけば良かったなと思うことをお話ししました。私は高校時代、将来何になりたいと考えることが全くなかったので、生徒さんには少しでも夢を持って将来の仕事を考えた方が良いですよと、体験を交えてお話ししました。
今年の生徒さんは突っ込んでいくと結構しゃべってくれて、力をいただきました。


長谷川 昇さん(26期生)
「私の担当した生徒さんたちはとても熱心に聴いて下さり、ちょこちょこ質問もありました。当時の東淀川高校と今との違い、アルバイトのことなど、私の高校時代についての質問が多かったですね。
音楽をやっているとお話しすると、ぜひ歌ってほしいと言われまして、アカペラで歌わせていただきました。
初めてお会いする中で、生徒さんも『こいつ誰やねん』という感覚でおられたと思います。それが彼らなりの距離の測り方なのだと思いますが、友だち同士で茶化したりすることで、この空間の中で自分の居場所を測ってるのだと思いながら話しました。
私自身とても良い経験をさせていただきました。」

 
丸山 学さん(26期生)
「私は今回初めてでした。アンケート用紙を基に話をしました。高校時代にアマチュア無線をやっていたので、それについても聴かれました。私は現在ハローワークで、就労支援をやっています。私も1年契約の非常勤なので、その話をしました。そして、摸擬カウンセリングみたいな形で、生徒たちの仕事への質問を聞き、答えました。アルバイトが面白くない子、将来何の仕事をしたらよいか分からない子がいました。また、吉本の芸人のマネージャーになりたい子がいました。私も以前大阪シナリオ学校に通い、演劇用の台本を書いたり、事務局の仕事をしたりしていたので、その話も踏まえて、やりたい仕事への道筋や人間関係をどう作って行ったらよいかという話をし、1%でも可能性があるならダメ元でやったらええんちゃうか、と話しました。」

 
重村 正己さん(36期生)
「今年は自己紹介用紙があって助かりました。
まず自分の紹介をして、職業の話と高校生活をどんな風に送ったかという話をしました。そして付き合いは大事やということを強調しました。
高校時代に周りの子に助けてもらった体験や、私はスポーツの仕事をしてるのですが、監督、コーチがいて、その下に私がいるので、やはり監督の言うことは絶対で、自分だけ違うことをしたらチームに居られなくなるという話をしました。私のような仕事をしたいのなら、人間関係が大切であることを話しました。
最後に自分の紹介も含めて、テーピングをさせていただきました。」
写真スタッフ

 
上田 純一さん(11期生)
写真スタッフ

 
北條 敏彰さん(11期生)
会場スタッフ


大嶋 啓史さん(16期生)
 
多くの先輩講師から「やって良かった」との声が
 
各教室での「先輩と語ろう会」の後、会議室で1時間、交流会を行いました。
興奮冷めやらぬ先輩たち、同じ体験を共有する仲間意識も芽生え、和気あいあいとした中で、今日の感想を話し合いました。

 
 
「先輩と語ろう会2016」を終えて

私は今年、4回目にして初めて「先輩と語ろう会」の講師を体験しました。体験して初めて分かったことがあります。今回も、そしてこれまでも、講師を引き受けた先輩たちは、後輩のために精一杯「何を語ろうか」を考えてこられたのだ、ということでした。
そして、今回は事前に自己紹介と質問のカードが送られてきました。このカードの存在は大きかったです。対話する相手の名前を知っていること、彼らについて1つでも2つでも知っているだけで、話すのが楽になりました。そして、事前に質問していただいたので、それを手掛かりにお話を進めることが出来ました。こうした工夫をして下さった先生方には本当に感謝です。
交流会でも、カードがあってやり易かったという声が圧倒的でした。

後日、生徒さんから各々の担当した講師に、また、一人ひとりの手書きの「振り返りシート」が送られてきました。お話の内容をまとめ、感想及びメッセージが書かれていました。
私は、どのメッセージからも、つたない私の話を真直ぐに受け止めて下さったことを感じ、胸がいっぱいになりました。やって良かったと思いました。自分の人生を振り返る良いきっかけになりました。
そして、生徒さんにとっても、受け身で話を聴くだけではなく、自己紹介や質問カードを書いたり、「語ろう会」の後に、話の内容をまとめたり、感想やメッセージを書いたりする能動的なやりとりは、とても良い勉強になったのでは、と思いました。

4年間の積み重ねの大きさを実感した「先輩と語ろう会2016」でした。

 
児玉 京子

 
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