第4回 先輩と語ろう会2016 


 「先輩と語ろう会」今回も大成功でした。
 
平成28年11月17日(木)の午後、第4回「先輩と語ろう会2016」を開催しました。
後輩のために17名の先輩(うち3名はスタッフ)が駆け付けてくれました。
この日のために、担任の先生方は「人の話を真剣に聞く」というテーマで学年集会やホームルームでの指導をされたそうです。その後、ホームルームの時間に、後輩一人ひとりが「自己紹介用紙」に「自己紹介」と「聞いてみたいこと」を書いてくれました。
開催数日前には、1年学年主任の小川先生から分厚い封筒が届き、先輩たちは自分の担当する20名の後輩の自筆のカードを目にします。私の元にも先輩たちから「質問が多すぎて50分では応えきれない」という、これまででは考えられない嬉しい悲鳴が聞こえてきました。

今年で4回目の「先輩と語ろう会」です。
先生方はこれまでの経験を受け継ぎ、それをもっと発展させてくださいました。
そのことは確実に生徒たちに伝わっていると思いました。

そんな思いの中、当日を迎えました。




参加者一同と担当の小川先生(右端)

 
最初に岡田校長先生からのご挨拶がありました。
「生徒たち自身が、1年の今、自分の将来を一生懸命考えているかというと、それほどでもないかもしれませんが、彼らが2年、3年になって自分が進路選択するときに、今日の先輩の話が生きてくると思います。実は過去に先輩の話を聴いた3年の生徒から、そんな話を聞いています」とのお話が印象的でした。
その後、学年主任の小川先生から当日の流れの説明などを受けました。その中で、
「素直な良い子らがいっぱいいる学年です。しかし、自分から質問したりはしないかもしれませんが、当てていただければ必ず答えると思います」とのアドバイスがありました。

今年も、控室にお迎えに来てくれたのは、担当するクラスの生徒たちでした。
 
 

「先輩と語ろう会」が始まりました

 


相馬 芳枝さん(3期生)
私は理系人間で、産業技術総合研究所という元通産省の研究所で化学の研究をやってまいりました。
今日は、先生に送っていただいた自己紹介と質問状のカードが大変役立ちました。
今日の話は1/3をパワーポイントを使っての自己紹介、真ん中の1/3を生徒さんからいただいた質問カードにお答えし、残りの1/3で新たな質問を受けました。皆さん熱心で眠ることもなく、よく質問をしてくださいました。
私は話の中で、夢と目標を持つことが大事、夢や目標に向かってチャレンジしましょう、ということを申しました。そして、これからはグローバル化が進み、英語はしゃべれて当たり前、ブロークンでも良いからしゃべれるようになりなさいとお話ししました。
これまでは理系というと、男性が科学技術の開発をやってきましたが、これからは女性でもできるのですよと、『女子中高生を理系に誘う関西科学塾』をご紹介し、来年にでもいらっしゃいとチラシを配布していただきました。夢がない、何して良いか分からないという人もおられましたが、それはこれから先輩の話を聴くなり、体験教室に行くなり、いろんな場所に入ると何かきっかけが得られるでしょう、夢に向かってチャレンジしてくださいとお話ししました。

 
赤對 一雄さん(9期生)
卒業以来50年間、母校の門をくぐったことがありませんでした。それは、高校時代に夢や目標を持てずに、楽しい思い出が少なかったからなのですが、今回、この会に参加したのは、こうした私の経験が、逆に、みなさんの参考になるんじゃないかと思ったからです。生徒さんからの質問にお答えする形で、当時を振り返って見て、高校時代に夢や目標が持てなかった理由をお話ししました。理由は3つあります。東淀川高校は第1志望校ではなかったこと、理科が好きなのに、2年生の時に文系にしてしまったこと、野球が好きなのに野球部の部活を諦めたこと。自分が常に消極的であったせいで、高校時代に達成感を得ることが出来なかったことをお話ししました。また、自分のプロフィールに、3年になって成績が著しく落ち、悔しくて必死で巻き返しましたと書いたので、どういう風にしたのですかと質問されました。試験前に先生のつもりで、自分でテスト問題を作り自分で解答する方法で、成績を回復させることができた経験を紹介しました。本論で、やっていて良かったこと、やるべきだったこと、失敗などもお話ししました。また、沢山本を読むこと、外国語の会話力を身につけること、好奇心を持ち続けること、そして、小さくても良いから目標を持つことを勧めました。結論として、人生とは小さな偶然の積み重ねです、好きだったら一歩踏み出しなさいとお話ししました。
 

森 俊二さん(11期生)
「今回で3度目なので、時間配分も考えて、レジュメを作りました。時間の半分は『森イズム』について、残り半分は生徒からの質疑応答と考えてました。
『森イズム』とは?人は生まれる。→生きる。→食べる。→稼ぐ。→就職する。ことになるので、色々の商売を紹介しました。生徒には、自分が1番好きなことで、才能をのばし、とにかく一生懸命にやってみよう!→結果が駄目でも、まだ若いので次の事でまた頑張ろう!。(人生、再チャレンジが大切!!)  
**世渡りの秘訣@〜B**
@オアシス運動、おはよう→ありがとう→しつれいします→すいませんの挨拶A男は度胸、女は愛嬌でうまくいく B人との対話を出来るだけたくさんした者がうまくいく。と将来の面接試験のコツを話しました。(私の体験を紹介)
残りの時間を生徒からの質問カードに答えることにしました。やはり時間が足らず、全員の質問に答えることができず、来年への宿題となりました。」
 

野本 真平さん(11期生)
「昨年に続き2回目です。高校時代、理化学部に所属し、亜硫酸ガスの濃度測定をするために学校に泊まり込んでいました。最初は教室で仮眠をとっていたのを、茶華道部の和室を借りることができ、仮眠だけにしておけば良いのに、夜中に勝手に道具を借りてお茶をたてたりして盛り上がった経験を話し、大笑いされました。また3年の文化祭で、クラスで劇を上演しましたが、理系人間の私は無関心でした。好きな人が勝手にやったら良いと無責任に賛成ばかりしていたら、いつの間にか、劇の主役に祭り上げられていて非常に困ったという顛末を話し、もっと大笑いされました。
進路に関する質問がありました。私は中学時代から進路を決めていましたが、私に理系の適正があったかどうかなどは全然考えませんでした。早々と目標を立てて、くよくよ考えずに後はそれを目指して突っ走っただけですと、答えました。『高校で一番良かったことは?』という質問には、友だちができたということ。良い人間関係を高校時代に築けて、それは今も続いていますとお話ししました。」
 

森本 佳子さん(11期生)
「私は若い頃は転職を繰り返し、たどり着いたのは小学校の教員という仕事で、それだけは30数年続きました。教員をやめる前の10年間、小学生に英語を教えるということを研究・実践させていただき、現在は非常勤で、外国人の学生のための日本語学校で日本語を教えています。私の持論は、これからの時代は右手に英語、左手にコンピュータ、二つのコミュニケーションツールを持ってなかったら世界に出て行かれへん、ということです。それを伝えたくて「語ろう会」には最初から参加しています。ということで、初めに英語で3分ほどスピーチをしました。生徒たちが退屈してきた頃に、持ってきたCDでボブ・ディランの曲「風に吹かれて」を聴いてもらいました。歌はピーターポール&マリーです。歌詞カードを配り、やさしい言葉ばかりだけど、気になる単語を辞書で引いてみてと言いました。すごくメッセージ性がある曲で、私の高校時代に流れていた音楽だと紹介し、この時代の背景や私の高校時代のお話をしました。時間が足りなくて、でも伝えたいことは一生懸命伝えたつもりです。」
 

菊池 幹夫さん(11期生)
「私が卒業して半世紀、これまでの時代がいかに急速に変わって行ったか、若い頃は夢の世界だった宇宙ステーションやロボットが、今は現実になっています。50年の歴史の流れの中で、多くの人の勉強がひとつになって科学の進歩を生み出したのだから、これからは、未来へ向けて皆さんが主人公になってやっていくのです。その意味ではとても夢があるのです。
また、今日、身近にあるスマホなどからの情報量は是非はともかく膨大です。その情報価値を自分で選択する能力だけは、皆さん身に着けておいて下さい。そのためにこそ、高校で学ぶ意味があるのです。
また、高校時代のクラブ活動などで基礎体力をつけておくと、社会に出た時にその体力が絶対に役立ちます。だからクラブや運動などは、青春を謳歌しながら一生懸命やってください、とお話ししました。」

 
土井 一寛さん(11期生)
初めての参加です。自己紹介を終えるとまだ5分しか経っておらず、それで自分の失敗談を話すことにしました。学生時代勉強をしないでクラブばかりやっていたこと、事業に失敗したこと、そんな話をすると生徒たちも興味を抱いてくれたようです。
僕がいつも考えているのは、人間すべて塞翁が馬、先はどうなるか分からん、それが人生だということです。今アカンかっても必ず良いことがあるし、良いことがいつまた悪いことに成るかも分からんし、というのが世の常です。今はしっかり目標を持って、失敗を恐れず挑戦してください、とお話しすると、共感していただけました。


 
児玉 京子さん(11期生)
「初めての参加で、緊張しました。私がお話ししたのは、身体が弱く親に甘やかされて育ったせいで、ずっと自立のできないダメダメ人間だった私が、3つのチャンスがあって自分を変えることができたという経験談です。1つ目は、短大入学したその日に飛び込んだ写真部、2つ目は親に反対されたけど説得して21歳で結婚したこと、3つ目はそのパートナーを58歳亡くし、虚しい日々を送っていたのを、江風会活動をすることで救われたことです。その後、生徒さんからの質問カードにお答えしたのですが、時間が短くて全部お答えできず残念でした。でも、うなづきながら聴いてくださる生徒さんもいて、とても嬉しかったです。」

次ページへ