弓道部は開校初期の頃からあるたいへん伝統ある部で、現在にいたるまで毎年好成績をあげています。現役生のクラブ参加率が右肩下がりとなっている昨今にありながら、伝統の継続と部員の確保に成功している弓道部の取り組み、また卒業生の現役支援について、弓道部OBOG会ホームページの管理人・三上さんにきいてみました。

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弓道部OB・三上典秀さん(39期)

現在は機械の修理に携わる職人さんとして活躍。
職能を生かして山下食堂よこに弓道部看板を設置されたほか、ホームページの管理人、宴会の幹事など、現役生の支援や同窓生の交流のため積極的に活動されています。

【東淀川高校弓道部OBOG会】
http://www.eonet.ne.jp/~mikami/kyudo/

本日はよろしくお願いします。
早速ですが、川高の弓道部が長年にわたって好調を維持されている理由はどこにあるとお考えでしょうか。とくに武道系のクラブは近年どこも部員の確保に苦労していると思うのですが。

三上さん:

たしかに部員は多いですね。今の人数が、一年生二年生で15人ずつぐらいです【編集注:2013年2月当時】。じつは少し前にテレビに放映されたことがあるんですよ。2011年3月放送の「ちちんぷいぷい」という番組で川高弓道部が取り上げられました。直接の原因かどうかわかりませんが、その次の年から新入部員が増えたような気がします。
あと、「袴姿にあこがれて」みたいな声もわりと聞きますね。私自身は、最初に見学に行った時の先輩方の雰囲気が和気あいあいとしてとても良かったので、それで入部を決めました。

ほかにも人を集める工夫はいろいろしていますよ。10年ほど前、けっこう立派な看板を自前で作って取り付けました。弓道場は食堂の裏手でぱっと見で場所がよくわからなかったんですが、これで食堂でごはんを食べてる人達に弓道部の存在を認知してもらいやすくなったと思っています。

▲食堂よこの柱に取り付けられた看板

▲同じく弓道部OBの安部卓也さんが運営する珈琲専門カフェ"HEAVEN'S CAFE"。
取材会場として利用させてもらいました。

▲母校正門 毎年好成績を維持!

弓道部では、八月の中ごろに開催される「OB・OG戦」が毎年恒例の行事となっているそうです。詳しく話をきいてみると、なるほど。朝の9:00から現役・OBを交えての射会、午後からは子供もできる遊び的でのレクリエーション、夕方以降は宴会と、まる1日を費やしての一大イベント!

三上さん:

OB・OG戦の用意は現役生の仕事で、開催の告知はOB全員に往復はがきで送ることになっています。そのほか、会場の準備から受付まで全部ですね。飲み物の用意もそうですし、入賞者には賞品を用意してくれていたりもします。
そのかわりにOBが何をするかというと、現役生へのカンパです。弓具を買ったりするのに何かとお金がかかりますからね。入り口のところに募金箱が置いてありまして、ひと口千円。毎年けっこうな額が集まるんです。こういった流れが、昔からの伝統になっています。

なるほど、自分が現役の頃に先輩をおもてなししてきた後輩は、卒業してからカンパする側にまわってまた後輩に伝統を引き継いでいく、と。ある種、理想的ともいえる先輩後輩のサイクルが確立していますよね。素晴らしい!
OB・OG戦の伝統はいつごろから続いているんでしょうか?

三上さん:

私が入った頃にはすでに恒例のイベントとして根付いていたので、いつごろ始まったかというのはわからないんです。
みんな好きな時間に来てめいめい楽しんでくれてますよ。座って見ているだけの人もいれば、「本気組」といいまして袴に着替えてバリバリ引きにきてるグループもいます。
OB・OG戦は12射、つまり12回引くんですけど、これぐらいなら現役生とも勝負できる。それ以上になるとスタミナが切れてしんどくなってくるんですね(笑)たとえば35期はものすごく強かった代で、今でもOB・OG戦で上位を独占していきますよ。

夕方からはお疲れ会ということで、現役生にも参加してもらっています。卒業後もこうしたイベントに毎年参加してくれるコアな人材って、やっぱり10人いれば2人か3人ぐらいなんですよ。伝統を次の世代に引き継いでいくためにも、交流を深めて人材をつないでおくことが大事だと思っています。
もちろん現役生は参加無料、それと当然ですがアルコール全面禁止で。その点についてはキッチリと配慮しています。

▲夜の部のレシートがこんなに長く!

▲OB・OG戦の様子

▲現役生が受付をつとめる

三上さんのホームページは掲載されている写真も多く、個人で管理されているとは思えないほどしっかりしたつくりになっています。OB・OG戦では宴会の準備などもされているそうですし、三上さんご自身が弓道部にとってなくてはならない「コアな人材」ですよね(笑)
OB・OG戦のほかに、恒例の行事やOB同士が集まる機会などはありますか?

三上さん:

ホームページの管理はたしかに私ひとりでやってるんですが、掲載している写真は写真が好きな別のOBがいつも撮ってくれていますし、OB・OG戦から3次会に移る間の空いた時間は安部くんにここ【編集注:HEAVEN'S CAFE】を提供してもらっています。役割分担がしっかりできているからこそだと思いますね。
そのほかのイベントとして毎年1月4日には「初射会」、あと年末に「赤穂弓道大会」という外部参加OKの試合があるので毎年それに参加しています。でもこれはあくまで一部のメンバーだけで、OB・OG戦ほどたくさん人数が集まるわけではありません。

せっかくですので、江風会の活動についてもなにかひとこといただければ…

三上さん:

江風会の取り組みで感心しているのは、掲示板などのやりとりが活発なことですね。
毎年の総会・懇親会でも山下食堂を借りてやってらっしゃるでしょう。弓道部のOB・OG戦だと参加人数が当日までわからないし、人数も50人程度なので単独でお借りするのはちょっと難しい。もしほかに同じようなクラブがあるなら、合同開催でおばちゃんにお願いしてなんとか食堂を開けてもらえないかな?もちろん日程や参加人数の調整を考えるとハードルはすごく高いと思うんですが、実現したらスゴイことですよね(笑)

江風会ではFacebookで卒業期別/クラブOB別・江風会グループ(Facebook管理人 江風会副会長・松本恵美子)を立ち上げるなど、クラブOB同士の交流もお手伝いさせてもらっています。OB・OG戦当日の山下食堂での昼食、実現に向けて江風会も応援します!今後とも相互に連携して母校をもり立てていければ幸いです。
本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

最後に江風会から三上さんへのお願いをひとつ。じつは江風会活動もつねに人手が不足しております【切実!】。これを機に、といってはなんですが、活動をお手伝いいただける人材を送り込んではもらえないでしょうか?我々、クラブOBの人脈・縦のつながりには非常に期待しております。ぜひご一考を!