十三の「富五郎」にて取材後の打ち上げ。左から、4期生吉村壽孝さん、38期生新地由季也(江風会)、4期生堀口博信さん、11期生松本恵美子(江風会)、43期生太田芳伸さん、43期生安部卓也さん

4期生吉村さんのおみやげの鳩サブレーと一緒に(右 江風会・松本)

合格、そして今日まで

■それだけ過酷な合宿を乗り越えられて、発表はさぞ緊張されたでしょうね。

合格発表は順次名前を読み上げていくという方法でした。読み上げ終わると「以上です」と言うので、残りは不合格。合格者は0かもしれないし全員かもしれないという。

発表では最初に言った前田五郎師匠の娘さんや、タカラジェンヌの人なんかが順当に読み上げられていって、僕が呼ばれたのは9番目でした。そしたら、10人目のあとに「以上です」と言われて。ギリギリやったんです。結果、合格者は17人中10人。本当に過酷な合宿でしたね。

■そこから、現在のご活躍につながっていく、と。

そうやって苦労して入ったんですが、最初のうちはやっぱりバイトしもってです。ギャラがひと舞台あたり800円。1週間やっても1万円いかないぐらいですので。それから今9年目ぐらい。ありがたいことにギャラも上がって、ようやく吉本だけで食えるようになりました。でも実際まだまだです(笑)

■やはり、入ってからもかなりのご苦労があるわけですね。

やっぱり入ったから売れるというわけではないです。中に入ってからも弱肉強食ですから。だいたい総勢で90人ぐらいいるんですが、半年、一年と出番が貰えない人もいますしね。お笑いのセンスはもちろんですが、アドリブに応えられる頭の回転の速さなんかも求められます。

■出番が貰える人と貰えない人。どういう部分で差がついていくのでしょうか?

一回の出番でどれだけ強い印象を与えられるかというのもありますが、最初は基本的に「決められたことがキチンとこなせるかどうか」だと思います。ちゃんとしたお芝居ができる、セリフが言える、ボケやツッコミができる。これを積み重ねないとやっぱり認められないところがあります。

あとはどこでも同じだと思いますが、人徳もあります。先輩たちとしっかりコミュニケーションを取れる人間は、チャンスも貰いやすい。

■なるほど。本日は興味深いお話をありがとうございました。最後に、読者の方にメッセージなどいただけますでしょうか。

やはり、テレビで見るのと生で観劇するのとでは全然印象が違います。私も中に入って実感しましたので、ぜひNGKにいらして生の新喜劇を観てほしいですね。

あとは今、奈良健康ランドのステージでも週末に新喜劇の舞台が見られます。こちらは先方と吉本との契約で実現したもので、6,7人ぐらいのミニ公演で若手を中心に回しているのですが、4座長のうちの1人を私が務めさせてもらっています。おかげ様で2014年も1月から3月まで継続することになりましたので、こちらも機会があればぜひ。

取材を終えて

取材は2013年12月14日(金)43期生安部卓也さんの運営するHEAVEN`S CAFEにて。その後、4期生吉村壽孝さんもご一緒に4期生堀口博信さんのお店「富五郎」での打ち上げとなりました。

芸人さんならではの話術と回転の速さはとても魅力的で、すぐにファンになってしまいました。単に面白いだけではなく、厳しい競争を何度もくぐり抜けてきた方のお話は取材者にとっても参考になるものでした。皆さんもぜひ、機会があれば劇場に足を運んでみてください。

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