津島さんの名刺です。
  「天満の哲」は、学校時代からのニックネーム。
みんなに知って欲しくなるユニークな同窓生、
がんばってる同窓生を紹介します。

第3回
 
イベントホール「音太小屋(ねたごや)」主宰者   
              津島 哲治さん
(12期)

 「音太小屋」の源流は熊野古道だった


2010年5月23日の江風会総会で、
♪思い出が消えていく分、作っていったらええやん♪ (アルツハイマーの歌)
と、歌ってくださったのが、津島哲治さん。

往年のコメディアンを彷彿させる雰囲気、やさしいまなざし、
前衛なのに庶民的なおっちゃん、それが津島さんの印象でした。

暑さの残る秋の夜、
天六から歩いて5分、大通りを右折した路地裏の
隠れ家のような不思議空間「音太小屋」に、津島さんを訪ねました。


津島さんはNPO法人「田舎ごっこ倶楽部」の理事長もされています。

「田舎ごっこ」と「音太小屋」、フォークのシンガーソングライター、
そして本業の印刷屋さんが、彼の中でどう結びついているのか。

興味深いお話をお聴きしてきました。



       脳梗塞で倒れたのが人生の転機

−人生の転機があったそうですね。

50歳の時、脳梗塞で倒れました。

忙しかった仕事に加えて、PTA、ライブ、地域の活動、町内会副会長など、
ぎょうさん抱えてました。
飲み会も多く、ええかげんな生活を続けてきたツケやったんでしょうね。

半身不随になって・・・。
声も出ませんでした。

ただ足は軽症だったので、退院して半年後からリハビリにウオーキングを始めました。
暇にまかせて、大阪市内の道を1本ずつ歩いたのです。

初日は家から住吉駅まで歩いて、帰りは電車で帰りました。
2日目は、住吉駅まで電車に乗って、そこから行ける駅まで歩いて、また電車で帰る。
そうして、どんどん歩く範囲を伸ばしていったのです。

市内を歩き通したら、次は環状線を1本ずつ歩きました。
それも制覇したとき、昔から行きたかって行き残ってる熊野古道を歩きたいと思ったのです。

今までと同じように、行ける所まで歩いたら、帰りは電車、
次の日は昨日歩いた所からスタートで日帰りしました。

田辺駅からは3日間民宿や寺で泊まって、熊野古道を歩きました。
山を歩き通したら、実に爽快でした。
動かなかった片腕も少しずつ動くようになり、元気になってきました。

−その時出合ったのが

森の中で住んでる男です。
気持ち良さそうで、こんな生き方してる奴もおんねんな、
近いような事できへんかな、と思いました。

すると、大阪に戻ったら偶然、奈良県高取山営林署のチラシを見つけたのです。
「森で遊びませんか?」




−で、その企画に参加された?

参加したのは10人でした。
6年契約で、1人1区画275u与えられました。

行ってみたら、道もないうっそうとした森の中、
まさにジャングルです。

1人で草抜きから始めました。

営林署の方には、まず木の倒し方を教えてもらいました。

10ヶ月週1回1人で行きましたが、1人では何もできない、丸太1本も持てないことを痛感しました。

3ヵ月経ったら、残ったのは、3人だけでした。


−1人では何もできないことを痛感されて?

友達に「遊びに行けへんか?」と、声をかけました。
たまたま仕事がきつくて突発性難聴になった友達が話に乗ってくれて、
それからは毎週2人で出かけました。
2人になったらがぜんパワーが湧いてきました。
人のつながりって大切ですね。

3人目に、幼稚園から高校まで一緒で、山岳部やった友達が加わってくれたんで、
丸2年かけて山小屋を完成させる事ができました。
3人やからできたんですね

山小屋に家族や友人を呼んで、バーベキューをしたり、月1回ライブをしたり。
自然の中で過ごす時間は本当に気持ちがいいし、人を元気にしてくれます。



−そして6年が経って?

契約どおり山小屋は撤去されて、お仕舞いです。


−あらら、勿体ない!

その後、友人が古民家を購入したんです。
奈良県の曽爾村にある築150年の古屋です。
それをみんなで手入れし、暮らせるようにしました。

週末だけの田舎暮らしです。
集まったり、ライブをしたり。

すると、曽爾村の役場から、「収穫祭で歌って欲しい」というオファーが入りました。
「村に受け入れてもらえたんや」と、嬉しかったです。

−それが「田舎ごっこ倶楽部」に?

4年前にNPO法人「田舎ごっこ倶楽部」を発足させました。
現在会員は30〜40名います。
会費は年間1000円です。

時々古民家に集まって、飲み会やライブをしています。


   音太小屋(ねたごや)ストーリー
 


 路地の奥に建つ「音太小屋」の入り口。
 「音太」の名は、小屋を支える横木の「根太」と「ネタ」、
 そして「音」をかけているそう。

 色んな仕掛けがあり、アイディアの詰まった
 大人の玩具箱のような空間。

 
 

  音太小屋1階。

 ここは木・金・土の19時〜23時は、「文化酒場」になる。
 「文化酒場」では、お酒を飲みながらライブを聴いたり、
 初心者でも歓迎の飛び入りライブに参加もできる。
 楽器ができなくても、誰かが伴奏してくれるそうだ。
 参加費1000円1drおつまみ付。
 軽食もある。

 取材日には、「Mr.真木 World展」が開催されていた。
 また、展示時間の後は、ダンスのレッスン教室としても
 使われていた。



 取材日に、音太小屋を借りに来られた落語家の
 千里家一福(せんりや いっぷく)さん。
 一福さんはお囃子も担当されるそうです。
 (愛嬌のある可愛い方でしたが、
 写真が上手く撮れませんでした。
 ごめんなさいね)
 
 「第3回 落語の秋」
 ・11月27日(土) 11時半〜18時半予定
 ・音太小屋2階
 ・入場無料
 ・主催 落語の秋実行委員会
       と、すごくゆかいな仲間たち

 

 

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