58期生国際交流

11月6日木曜日、母校東淀川高校では3年生を対象に 「先輩と語ろう会」国際版ともいえる「国際交流」の会を開催しました。

「国際交流NPO法人もみじ」の理事であり、江風会副会長でもある松本恵美子さん(11期)の尽力で、大阪に住むインド、中国、イタリア、ペルー、モンゴル、新疆ウィグル、フィリピン、ケニアなど9ヶ国の方々が集まってくださいました。

各クラスを半分に分け、1グループ20名にひとり、講師に入っていただきました。5時限目と6時限目を掛け持ちで講演いただいた方もあり、大変だったろうと思います。
また美しい民族衣装を着てくださった方、民族楽器や踊りを披露してくださった方もありました。

皆さま、少しでも母国のことを理解してほしいと一生懸命語られていました。
その思いは生徒たちにも伝わったようです。


高校生という多感な時期に、他国の方と直接話し合った体験は、後輩たちの成長にプラスになったことと思います。









モンゴルのジプセンさんと友達

ジプセンさんは来日11年目、現在大阪大学言語学博士課程で学ばれています。
来校されてすぐ、鮮やかなモンゴル衣装に着替えてくださり、私たちは感嘆の声を挙げました。

授業では、ご自身で作成した写真を見せながら、モンゴルの自然、文化についてお話されました。
生徒からの質問は、馬頭琴(モンゴルの楽器)やモンゴル相撲についてが多かったそうで、また「モンゴル文字は縦書きなので、それに生徒さんたち興味を持ったようです」とのこと。
生徒たちから笑い声が聴こえ、嬉しかったそうです。


 


ペルーのローサ山本さん



来日25年のローサさんは、松本さんと初めてお話しした頃は恥ずかしくて、ほとんど何もしゃべれなかったそうです。しかし、「今ではすっかり大阪のおばちゃんで・・・」と、元気な声で話してくれます。
「ペルーに一緒に行こう!」と声をかけたら、「行きたい!!」と応えてくれて嬉しかったとのこと。
ペルーの美しい民族衣装、 ブラウスの刺繍は本当に綺麗で艶やかでした。
細かいプリーツのスカートは10sもあり、めちゃ重たいんだそうです。
しかし、そのスカートを軽々とひるがえし、持参CDのペルーの音楽をバックに、民族舞踊を披露してくださいました。
後輩たちも明るい音楽と踊りに心を弾ませているようでした。



 
 

中国の時 光さん

 

時さんは来日13年目、NPOタブマネ(多文化共生マネージャー全国協議会)の事務局長をされています。
川校生は可愛くて、今回の企画は楽しかったそうです。自分の高校時代に受けた教育はとても厳しかったという話や、歴史の話をされました。
生徒からは「中国の一人っ子政策について」の質問があったそうです。

「メディアに左右されず、自分自身の目で世界を見て欲しい」という時さんの思いは生徒たちに伝わったと思う、との力強い感想をいただきました。


 
 

イタリアのジュゼッペ・フィーノさん

 

ジュゼッペ・フィーノさんは大阪大学 外国語学部でイタリア語の講師をされています。
とてもダンディなイタリア人です。
私が教室にお伺いした時は、イタリアの観光の話で盛り上がっていました。
今回はご用事で5時限が終わるとすぐに帰られたので、お話を聴けませんでした。
でも、気さくで話題豊富な先生ですので、また来てくださると思います。


 
 

アイヌの藤戸ひろこさん(右)と
ミア・カジハラさん


 

「今ではアイヌのことを授業ではほとんど教わらないので、本当のことを、しんどいことではなく、笑顔で伝える活動をしています」と話される藤戸さん、川校生の反応は良かったそうです。
生徒たちはとても素直で好感が持てたようです。

お二人の所属される「ミナミナの会」は、アイヌ民族の文化・伝統を、アイヌとシサム(アイヌでない人)が仲良くニコニコ笑顔で楽しみながら真剣に、一緒に学ぶ会です。

お話しの後、お二人でアイヌの踊りを踊ってくださいました。
後輩たちは熱心に見ていました。


 
 

インドのヘーメン・デイブさん

 

「50分では短すぎました」
授業が終わった後すぐのヘーメンさんの感想です。
「初めての経験でしたが、全然緊張しませんでした」
「カレーのこと、チャイのこと、インド映画のこと、いっぱい話しました」
「ガンジーについては皆さん知ってるのですね」
「インドで盛んなスポーツはクリケットですが、それは昔イギリスの植民地だったからなんですよ」と話は弾んだようです。
生徒さんからの質問は「インドで算数とITが盛んなのはなぜ?」だったそうです。
来日して30年。ヘーメンさんは西中島南方のインド料理の店「カジャナ」で総支配人をされています。
 
 
 

新疆ウイグルのニジャット・ウメルさん

 

来日して8年のニジャットさんは、難波にあるシルクロード・ウイグルレストラン「ムカーム」のオーナーシェフです。
私たちが教室に伺ったとき、ウイグルの打楽器「ダップ」を実演されていました。
男生徒に「ダップ」を渡し、叩いてみるように促すと、彼は恥ずかしそうにもじもじしていました。
しかし、踊りを紹介したりしているうちに段々盛り上がり、生徒たちも踊りだし、誘ったら乗ってくる川校生の素直さに好感を持たれたようです。
事前にウイグルの事を調べた生徒に「サリム湖は綺麗ですね」と言われ、嬉しかったそうです。


 
 

フィリッピンの保坂テレシータさん

 

テレシータさんは、もう日本に来て40年になるそうです。
旦那さまは日本人。
生徒たちからの質問も「出会いは?」などプライベートなことも多かったそうですが、明るい川校生との語らいは楽しかったそうです。
生徒たちもテレシータさんが大阪弁で話すのに興味を持ったようです。


 
 

ケニアのカランジャ・ジョージさん

 

1号館3階のLL教室では、カランジャさんが話されていました。カランジャさんは東淀川高校の英語の先生をされています。
パソコンを使った映像を見ながらのケニアの
お話のようでした。


 
 

「楽しかった!」
「生徒さんたち、可愛かったね」
「良かった!!!」

授業から帰ってこられた講師の皆様は、異口同音にこう言われました。

江風会役員として、お手伝いできて本当に良かったと思った瞬間でした。

「またやりたいね」
「今度はもう少し時間配分を考えよう」
もう次回に繋がる意見さえ出ました。

今回の「国際交流」のために、仕事を休まれたり、事前に話す内容をまとめたり、民族衣装を用意されたり、皆さまには惜しみない協力をいただきました。
本当にありがとうございました。
それは、若い日本の人たちに自国を知ってもらいたい、力を合わせて世界をより良いものにしていきたい、という熱意からだと思います。
私たちも、その思いに深く共感しました。

後輩たちはどのような感想を持ったのか、そのアンケート報告が楽しみです。